セメントボードの歴史
1962年に米国のあるタイル職人(ポール・ディンケル)によって発明されました。当初開発の目的は、タイルの下地材としてでした。当時の米国では、住宅建築の浴室やキッチンの下地材といえば、合板や耐水石膏ボードが主流でしたが、直接接着剤で貼り付ける方法が主流であったため、剥離や落下など事故が多く、それに変わる建材としてこのセメントボードが開発されました。
ところが、このセメントボードは、意外な性能と可能性を持っている事がわかりました。タイル下地材としてはもちろん、水に抜群に強い事が分かり、しかも軽量であると言う理由で、この健在は一気に全米に広まりました。
セメントボードとは
芯材は軽量骨材で、両面(表裏)ガラス繊維メッシュで覆われたセメントでできたボードです。日本市場では、外壁の下地として使われるのが多く、セメントボードに樹脂モルタルを塗ることによりシステム製品となります。
住宅の品格法や省エネ基準等に対応して、耐火、省エネ、劣化対策における最高等級の取得ができる建材です。
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セメントボードの性能
セメントボードの特長性能は、セメントで固めたにもかかわらす曲げられる点です。これは、芯材が疎である事と、両面ガラス繊維で覆われているということの2つの要素が重なって可能となっています。これにより半径1mという最小曲げ半径の曲面壁の施工が可能となります。
セメントボードの一番の性能は、モルタル壁に多いひび割れがほとんどありません。しかもシームレスな壁に仕上がり、仕上げ材を選びません。樹脂モルタル塗り付け後、吹付け・コテ塗り・タイル貼り・石貼りとあらゆる建材に対応できます。
また、構造材をも選ばないので、在来工法・ツーバイフォー工法・パネル工法・鉄骨造と多様化する建築構造にも対応可能です。
セメントボードの環境性能とリサイクル
セメントボードの製造過程でのCO2の発生はごくわずかです。製造に使う材料は、水とセメント、軽量骨材とガラス繊維メッシュだけで、一切の化学薬品添加物は使いません。使用される水は、セメントとのミックス用に使われ大部分製品となります。また、通常セメントに必要とされる洗浄設備も必要としません。そして、セメントボードは、100%リサイクル可能な製品です。